第650話あなたはいったい誰の婚約者なの?

「最悪の場合は私が払うわよ。許さない? 誰が私が先に殴ったって決めたの? 証拠でもあるの?」

ギルバートが署に着いたのは、ちょうどカイアの反抗的な言葉が耳に入った瞬間だった。

彼は苛立ちをこらえるように額をこすった。こんな状況でも、彼女はまだ意地を張っている。

そこへ、別の女の声が割って入った。「私だって示談なんかしない。先に手を出したのはカイアよ。牢屋に入ってもらうわ。お金? そんなのいくらでもあるもの」

ギルバートはすぐに、これが相手方の当事者だと悟った。

彼の隣には、顧問弁護士のピーターが立っていた。

ギルバートがピーターに目をやると、ピーターは即座に意図を理解した。

ピー...

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